リーナ:どうして判ってくれないの・・・。

リーナは何も考えずに走った。
その目には涙が浮かんでいた。

小さい頃から御世話になった小母さん。
今その人が悲しんでいる。

自分は無力だ。
誰も助けられなかった。
さっきの時もそうだった。
ウィンを助けようとして、返り討ちに合ってしまった。
そして、結局ウィンを助けられなかった。
逆に自分が助けられてしまった。

どうしようもない嫌悪感と無力感。
彼女の中にそれが漂っていた。

今思えば自分は今まで何も出来ていなかった。
失敗ばかりで、惨めだった。

今までは運が無いと思ってた。
そうずっと信じてきた。
それで自分を支えていた。
でも、今回の件で判った。


自分は、無力だ。


いっその事死んでしまおうか。
小母さんに申し訳ない。
母親にまで心配させてしまった。
父親が知ったら怒るだろうな・・・。
外国までウィンを追って来たのに、
ウィンに出会えたのに・・・
何の成果も得られなかった自分は一体何処に帰れば良いのだろう。


ウィンの・・・馬鹿。
何故判ってくれないの?
ザースも何故ウィンを説得してくれないの?

リーナ:ちゃんと・・・人の・・・事を・・・考えなさい・・・よ・・・ね・・・。

やはり死んでしまおうか。

丁度谷に来ていた。
下に咲いている黄金の薔薇が自分を誘うかのように咲いている。
周りに人が居るが気にしない。

リーナは一歩一歩足を進めた。


誰か止めてに来てよ・・・


彼女はそう願っていた。


だが・・・誰も来なかった。
もう最後の一歩だ。
彼女は目をつむりながら足を進めた・・・・・・!


バサバサバサバサッ


下で鳥が羽ばたいた。
驚いて足を引いてしまった。

リーナ:うっ・・・えぐっ・・・。

彼女は黄金の谷で泣いていた。
彼女の人生最大の失敗。
彼女の人生最大の汚点。

彼女は、自分の無力さが苦痛だった。
早くその苦痛から逃れたかった。



力が・・・欲しいか?



リーナ:だ・・・誰!?



我は炎帝「ウィスアリス」
汝に炎の力を授けようか。


リーナ:・・・いいわ。結構。


ほぉ。我に頼らず、自分で進むか。
汝は素晴らしい。なら力はお預けだな。


リーナ:さっさと消えろ!!!


良いのか?
力が要らないか?
汝に力は不必要か?


リーナ:うるさいッ!!!消えろ!!!この幻めッ!!!!


良かろう。
消えてやろう。


リーナ:もう二度と目の前に現れるな!!!!!【ブレイブフレイム】!!!


狂ったか?
その程度で我に逆らうとは・・・。



炎帝ウィスアリスは炎に包まれながら消えていった・・・。


リーナ:勝った・・・勝ったの?


リーナ:でも、此処は何処だろう・・・。迷っちゃった・・・。


6話に続く
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